今日は朝からツイてない。
目覚ましにいつもの時間に起こされてみたら休日だったり、仕方ないからお茶でも入れようかと思ったらお茶の葉が切れていたり、お風呂を洗おうと思ってお湯を出そうとしたらシャワーが出てきてびしょ濡れ、シャンプーは切れてるし、着替えるときに机の角に足の小指をぶつけて悶絶するし、服を後ろ前に着てしまうし、出かけたら出かけたで靴のヒールは壊れるし、履きなおしてきたら友達から電話がかかってきて約束すっぽかされるし、ほんとにろくなことがない。
そんな時一人の男性が声をかけてきた。
「あなたは神を信じますか?」
ひろ子は泣いていた。「何を信じろというのよ。」
隆は取り乱すでも無く、「俺を信じろって言ってるんだよ。」
ひろ子は肩に手を掛けようとする隆の手を跳ね除け、ただ泣いていた。
「貴方はいつも私を裏切るたびに 俺を信じろって言う。」
「そうさ、俺はお前を裏切っては居ないからな。だからちゃんとお前の所に帰ってくるじゃないか。」
「じゃ あの人は何よ」
「ただの友達さ」
「貴方は外に出て行くたびに 知らない人を連れて帰ってくる もう信じられないわ。」
我が家の鳩小屋にまたはぐれ鳩が紛れ込んできた。卵を抱くメス鳩が騒がしい、「俺が卵を抱いててやるから」とでも言っているかのようなオス鳩 そこに割り込むはぐれ鳩はきっとメスなんだ。 夕暮れのひと時、見ているだけで面白いのに、下で嫁が呼んでいる。
餌を遣り終えた私は紛れ込んだ鳩を小屋から追い出して妻の待つ階下に降りていった。
僕はこの世に落とされた天使。
僕の使命は彼女の夢の行方を見届けること。
彼女は今ソープランドで身を売って生活している。
彼女には好きな男がいる。
彼女は彼に会うために今の生活をして金を稼いでいる。
彼はホストでその店のNO1(ナンバーワン)だ。
彼が自分のもとに長く居てもらうには店の高額な酒を買う必要があるのだ。
なぜなら、その売上が彼の給料の50%だからだ。
彼女の夢はもちろん彼との幸せな生活を一生送る事。
彼女は今それをお金で夢の一部をつかもうと努力している。
彼女は仕事柄病魔に犯されそうとしている。
彼女はやがて、病気になり仕事も使命されなくなりクビになるだろう。
クビになれば稼ぎも無くなり、彼にも会えなくなるだろう。
でも彼女は夢を見つづける。
僕はそんな彼女を見つづける。
それが使命だから。
髪を伸ばした人形のような人魚に危うくイジメられそうになった健太君は町一番のガキ大将ですが嘘つきじゃないと専らの評判で夜毎手のひらに銀と緑のストライプの衣裳を着た妖精たちを侍らせていると得意げな顔で吹聴するものだから世の中はまやかしだと考えていたしかめっ面の一角獣は感心したかのように天空から舞い降りて来たのはいいが野原で宇宙人の幻影に取り付かれたまま立ち尽くしている河童の皿を気遣って立ち去って行ってしまったので近くの泉で顔を洗っていた健太君のお兄さんは肌寒いそよ風を感じたため屈託のない烏たちと世間話をしながら帰途に就いたのですが家で待っているものとばかり思っていた健太君は実は三日前の事故で亡くなっていたのです。
日本を変える×○です。
信じて下さい、○×党の×○です。
この暑い中、頑張っています。
信じて下さい。
<何を信じろと?
これからです、信じて下さい。
この暑さの中頑張ってます。
だから、信じて下さい。
日本を変える×○です。
<だから、何を信じろというんですか?
信じて下さい、この暑さの中頑張ってます。
日本を変える○×党の×○です。
<しらけるな、暑さなら俺も頑張ってるし、何を信じろというんだろう。
毎日 毎日 会社でキチット仕事しているぜ、これだって立派に日本の未来になってるぜ。
信じて下さい日本を良くする×○です。
この暑さの中、頑張っています。
信じて下さい○×党の×○です。
信じて下さい×○です。
○×党の×○を信じて下さい。
まっくらな闇。
その一番深い場所に、ぼくはいる。
何も見たくない。
何も聞きたくない。
何も言いたくない。
嘘ばっかりの世界より、この闇の方がよっぽどぼくにやさしい。
親切顔の人たちが、ぼくに手を伸ばす。
いつまでもそんなところにいてはいけないよ。
私が救ってやろう。
さあ、この手を取りなさい。
伸びてくる無数の手。
でも、ぼくは知っている。
みんな、みんな嘘っぱちだ。
だって、その手はどれもこんなに冷たいじゃないか——
触るな。ぼくに触るな。その冷たい手で。
一度振りほどいた手は、二度とは戻っては来ない。
ぼくはひとりだ。
ぼくはひとりだ。
ぼくはひとりだ。
でも、君は。君だけは。
ぼくに手を差し伸べるのをやめなかった。
ぼくがその手を振り払っても。
ぼくがどれだけ君を傷つけても。
何度も、何度も。
どうして。
なぜそんなことができるんだ。
なぜって?
決まってるじゃない。
わたしがあなたを好きだから。
そういって、君はそっとぼくの手に触れた。
あたたかい。
ああ、ぼくはきっと忘れない。
唯一信じられる、そのあたたかなぬくもりを。
家族大切党
「あと、三年の我慢です。」
「そうすれば、必ず変わります。」
自由恋愛党
「三年の我慢で、何が変わるのですか?」
「残るのは痛みばかりです。」
社会平和党
「弱者は見捨てていいのでしょうか?」
「弱いものも助け合うのが人間なのではないでしょうか?」
応援党
「三年の我慢で、変わらなければ私が変わりにお尻ペンペンしましょう。」
マスター「どの党も皆同じだな!!」
看板娘「マスター、そんなことよりこれってどれが徳なんですか?」
マスター「だから〜それは、IT西日本に聞いてちょうだい。」
×を書く。たくさんのたくさんの質問に、×を書く。
嘘をつく。たくさんのたくさんの質問に。嘘をつく。
親しい人ができる。たくさんのたくさんの質問に、答える。たくさんのたくさんの質問に、嘘をつく。
愛の言葉を囁かれる。たくさんのたくさんの「好き」に、応える。たくさんのたくさんの、嘘をつく。
別れる。泣く。背を向ける。苦しむ。
手紙を書く。たくさんのたくさんのたくさんの言葉を紡ぐ。たくさんのたくさんのたくさんの嘘をつく。
目の前にはわけわかんないアンケート用紙が差し出されて、化粧の濃いお姉さんが、明日のためにご記入下さい、と、頭に響く声でお願いしている。
×を書き続ける。たくさんのたくさんのたくさんの、嘘を書き続ける。明日の自分も笑っていられますように。そう祈っている。
当たるも八卦当たらぬも八卦。さ、手相はいかが?手相手相!
じゃあお願いします。どれどれ。昨日は納豆汁とゴーヤの炒め物を食べましたね。おおすごい!当たってる。寝る前にガールフレンドから電話があって奥さんに聞かれやしないか、はらはらしましたね。ええ、えへへ。その通りです。あなたは今、上司ともめていますね。何回目かのもめごとで今回ばかりは首がかかっていて大変に辛い立場にいます。そうそう。そうなんです。僕はどうなってしまうんでしょう。大丈夫です。あなたの上司はあなたに悪いようにはしません。そうですか。ああ、よかった。なぜならあなたの坊ちゃんは彼の子供だからです。
手品を見せて男が笑う。
「人を消すだけなんて、つまんないだろ?」
そういうと、彼は物語を
これは実際にあった話だ。
船が沈没した。船体に穴が空いていた。生き残った乗組員はいない。
原因を調査すべくチームが組織され、専門家によってあらゆる角度から難破の可能性が検討されたものの、原因となる様な条件は何一つ発見されない。
提出された書類には「沈没する事はありえない」と書かれ、船は沈没しなかった事となった。
夏はこれだからイヤだよね。すぐに生ものがにおって来ちゃう。暑いと睡眠も浅くて、寝た気がしないし、起きてたってたまにくらくらくる。夢かうつつか境目も曖昧。
そんな時はシャワーを浴びてさっぱりする。
色んなバスグッツで気分転換も素敵。
あ、それに独りじゃないから楽しいの。
彼女はずっと私をみてる。私も彼女が大好きだから嬉しい。ただ少しずつ小さくなって行くけど。このままじゃ場所取るし、夏だからねぇ。冷蔵庫にも入れたけどもういっぱい。少しずつゴミに出すけど大丈夫。
体力付けておけば良かった。結構鋸も大変。冷蔵庫には彼もいるし、楽しいでしょう?真夏なのに涼しいデート。彼の時は骨も太くて大変。あなたはずっと彼といられるし、私は貴方達といられるし、願ったり叶ったり。
やっぱり仕事がいいのかな。白衣の天使だし。まさか私がこんなことするなんて。誰も疑ってないでしょう?
セミの抜け殻のつかみ取りが、1回たったの500円。
しかも金の抜け殻が入っていれば、もう1回できるんだって。
こんないい話、ほかにある?
酷暑の昼下がり。街道を歩く私。
したたる汗をぬぐってまばたきをしたら、目の前に4つの人影と一頭の馬。
「天竺はこの先ですか?」美しい和尚が静かに尋ねた。私は小さく頷く。
「善哉善哉。南無阿弥陀仏」
一行は軽く頭を下げて、しずしずと通り過ぎる。「ご苦労さまです」すれ違いざまに、もう一度汗をぬぐってまばたきをしたら、真っ赤なスポーツカーが高笑い。「ほほほほほ」
ああ、また騙された。
張裂月が浮かんでいる悲しい夜には、子守草の花が巣立ちます。大
きな翼をいっぱいに広げて、夜明けを探しているのです。母親たちは、
天蓋にへばりついて降りてこない月に向けて、子供の無事を祈ります。
その祈りは、たくさんの嘘を孕んで、あなたの元に届くかもしれませ
ん。その嘘は月の光を浴びて、街じゅうに降り注ぎ、いつか、大地に、
子守草の、小さな小さな花を咲かせるのです。
——ほら、またひとつ、嘘が。
十大受章
勝鬘、恭敬して立ち、十大受を受けたもう。
世尊、我今日より乃し菩提に至るまで、
受くる所の戒に於いて犯心を起こさず。
諸の尊長に於いて慢心を起こさず。
諸の衆生に於いて恚心を起こさず。
他の身色及び外の衆具に於いて疾心を起こさず。
内外の法に於いて慳心を起こさず。
自ら己が為に財物を受畜せず。
凡そ受くる所あれば、悉く貧苦の衆生を成熟する為にせん。
自ら己が為に四摂法を行なわず。
一切衆生の為の故に、不愛染心・無厭足心・無罫礙心を以て衆生を摂受せん。
若し孤独・幽繋・疾病・種々の厄難・困苦の衆生を見ては、終に暫くも捨てずして、必ず安穏ならしめんと欲して、義を以て饒益し、衆苦を脱せしめ、然る後に乃ち捨めん。
若し捕と養との衆の悪律儀と及び諸の犯戒を見ては、終に棄捨せずして、我れ力を得ん時、彼彼の処に於いて、この衆生を見ては、応に折伏すべき者は、これを折伏し、応に摂受すべき者はこれを摂受せん。
何を以ての故に。折伏と摂受とを以ての故に、法をして久しく住せしむるなり。
法、久しく住すれば、天人充満し、悪道減少して、能く如来所転の法輪に於いて、随転することを得ん。
この利を見るが故に、救摂して捨めず。
正法を摂受して終に忘失せず。
何を以ての故に。
法を忘失する者は、則ち大乗を忘る。
大乗を忘るる者は、則ち波羅密を忘る。
波羅密を忘るる者は、則ち大乗を欲わず。
若し菩薩にして大乗に決定せざる者は、則ち正法を摂受する欲を得ること能わず。
所楽に随って入り、永く凡夫地を越ゆるに堪任せず。
我れ是くの如き無量の大過を見、又未来に正法を摂受する菩薩摩訶薩の無量の福利を見るが故に此の大受を受く。
法主世尊、現に我が為に証したまへ。
信じますか?
今地球が滅亡するなら、最後の瞬間にあなたにメールを送ると。
いつもあなたの事だけ考えている。
あなたが私を憎んでいる時も、絶望しているときも、あなたの事だけ愛している。
あなただけずっと好きでいる。。。。。
あなたが私のものになってくれたら、どんなに嬉しいか解らないのに。。。。。
あなたの言葉「もう一生誰とも結婚しない」、あれはもの凄くショックだった。
まだ「君とは結婚しない」のほうが救いがあった。
例えるなら宝くじみたいなものかな。
宝くじを買う時って、いつも少しだけ期待するの。
ひょっとしたら私に3億円当たるかしらって。
まずほとんど一生当たらない人が大半だけど、当たる人も必ずいるのよ。
いつも抽選の後、「やっぱり予想通りだめだったか」という気持ちと「でも私以外の誰かは当たったのよね」という気持ちが入り混ざるの。
私がだめでも、他の誰かが幸せを掴んだのなら、今回はだめでも次が有ると思える。
今私が不幸でも誰かが幸せなら、いつかは私も幸せになれると信じられる。
今私が不幸でもあなたが幸せなら、いつかは私も幸せになれると信じられる。
私以外のすべての人に、あふれるほどの幸せが訪れる度に、私のあふれんばかりの幸せも、少しずつカタチになっていくと信じているの。
あなたに一番幸せになって欲しいと願う、私の心を信じますか?
ある日、俺の親父は死んだ。
突然の出来事だった。
その時は涙の一粒も流すことなく時を過ごした。
数日後、仕事である男と待ち合わせた。
男は遅れてきた。
そして、その第一声は
「ワリい、ワリい、遅れちゃって!」だった。
その時、何か気になる事が頭に想い浮かんできた。
<なんだろう?>
それは、親父の顔だった。
そのしぐさが似ていたのかどうか分からないが、記憶のスイッチがONになったのだろう、次々と親父との思い出がリバイブしてきた。
全身に鋭く血が流れ、気がつくと頬が温かく濡れていた。
男はびっくりしていたが、事情を聞いてからは、俺と同じことをしてくれた。
きっと男は、俺よりも人生経験が豊富なんだとその時思った。
そして、俺も今日からは人波越した男として生きることになる。
世界を信じるために必要なもの、コンキョは経験を積めば見つかるよ。入倉さち子にそう聞いて、ぼくは旅に出た。そして十年。この世の果てにもコンキョはなかった。
あやふやな経験の積み重ねをコンキョというのなら、真のコンキョなど何処にも無い。ようやく悟った。コンキョが無いということにもコンキョは無く、またその無いということにさえも。そうした反語法の無限くり返しの深いふかい渦の向こうに、ぼくはなにかを掴まえたような気がした。
故郷に帰ると入倉女史が待っていた。
「あきらめがついたでしょ?」
ぼくは首を振って、ただ笑ってみせただけ。
これで最後だなぁ。と、何回思ったことか。つい信じちゃうんだなぁ。
昔の歌で、信じて裏切られる方がいいってあったけど本当かなぁ。平気な顔してるけど結構泣いているんだよ。
繰り返し繰り返し、鼬ごっこ。終わらないのも困るねぇ。
あなたが寝ている隙に口を縫ってみた。
結構上手に出来たけど気に入ってもらえるか心配。
これであなたをすっと信じられるね。
「あなたは神を(仏でも良いけど)信じますか?」
僕は,信じません。バイオ系研究者の卵として,日夜最先端の研究を行っている(つもりでいる)自分にとって,「科学で証明できないもの」を認めることは出来ないのです。それでも,多くの人々が神を信じているのは,なぜ?
それはきっと,宗教というのは「人間の心」という未だ科学で解明できないものを豊かにしてくれるだろうから。どうしようもない絶望の中,誰も,自分すらも頼ることが出来ない時,人はそこに「神」の存在を創り出し,そして,神に守られている自分を発見したときに,絶望から抜け出すことが出来るのでしょう。
「信じるものは救われる」これは事実です。
え?神の存在を信じないんじゃなかったのかって?
違う,違う。神そのものはいなくても,それを信じることによって人間の生活はより豊かになりうるという事です。
もし神がいるとすれば,それは神を信じる人の心の中にのみ存在するのでしょう。
毎度お騒がせしております、こちらはアマノジャク党公認候補、○△□です。
右と言えば左、左と言えば右。イチロー左で、右新庄。私のシンジョー、有言実行。
右と言えば左、左といえば右。右ハンドルに左助手席、安全ベルトはしっかりと。
アッそこの道ゆくお嬢さん。ご声援ありがとう!
女: バカ、誰が信じるか。
(○△□候補、窓から顔を出して)ジャンケン、ポイ。あっち向いてホイ(左/ 右)。
女: ば〜か、誰がひっかかるか。
(女、角を右に回ろうとした瞬間)
右と言えば左、左と言えば右、と辻占いの怪しげな老婆の声。
(女、慌てて左に反転)
私のシンジョー、有言実行
(女、追い詰められる)
(右もダメ、左もダメ。どうすればいいの神様!)
すると、行き止まりの白い壁にひらひらと天から舞い降りてくる1マイのメッセージ。
「貴方の清き1票をお待ちしております。正選王。」
「あなたを誘拐します。」
気がつくと目の前には黒尽くめの男がいた。
「ここは、どこだ?」
「さあて、どこでしょう。」
サングラス越しの薄暗い目がかすかに笑ったように見えた。
「あなたは誰に助けてもらいたいですか?」
「誰?」
男は携帯を取り出し、部屋に一つしかない窓から表を見つめている。
「誰と話した。」
「さあて、誰でしょう。」
男は携帯を窓から放り出した。そして部屋から出ていった。
「訳がわからん、とにかくここから逃げなければ!!」
しかし、手足は鋼鉄の椅子に固定されて身動きすら取れない状態だった。
数時間後男が帰ってきた。しかも窓から。
そして、糸を渡し、靴を奪い取り、また部屋から出ていってしまった。
糸は窓のほうに連なっている。とにかく手繰り寄せてみることにした。
その先には、携帯が結んであった。
「ピピピッピピピッ」 「ピピピッピピピッ」
はだしの脚で何とか携帯にでれそうだ。
「おい、大丈夫?今助けに行くから!!」
「まっ・・・・・。」携帯はすぐに切れてしまった。
窓から入る光の加減で、あれから数時間経過しているのがわかった。
部屋に一つしかないあの窓は今思えば無いほうが良かったかもしれない。
数日後、空腹とストレスでどうにかなりそうになると携帯が鳴った。
どうやら、メールらしい。
「信じますか?信じますか?信じますか?」
「ちっ・・・・信じられねえよ。」
「貴方の負けです。」すぐ横にはあの男が。
脳裏にあの男が殴りかかってくる映像が浮かんだ。
気がついた目の前に浮かぶ光景は天国か、地獄か、それとも・・・・・・。
私は真実の教え、真実教という宗教を信じています。
うそよりも真実を知ろうとする人全てが信者になれます。
既成の宗教には真実の部分も有りますが、うそも混ざっています。
100%真実の宗教は真実教だけです。
キリストは処女から生まれた、釈迦は生まれてすぐに歩いた、と言われていますがうそです。他にもいっぱいうそが有る。根本からうそが有る。
うそからはうそが導かれることが多いのです。
うそを取り繕うため、更にうそを重ねる、ということになります。
自分の主張を正当化するため、真実を曲解してはなりません。
自分の主張が真実に反していたら、自分の主張を真実にそわせるべきです。
真実教の信者になるのに手続きも何も必要ありませんが、真実の情報を得るための手間とカネは必要です。
いかがですか、あなたも真実教を信じますか。それとも、うその部分を含めて既成の宗教を信じますか。
昔々のこと。長崎の花街・丸山では、踏み絵は正月八日と決まっていた。遊女たちは着飾り、艶やか
なしぐさで踏み絵を踏む。町は見物客であふれ返り、出店が出、さながら祭りのようだった。しかしそれは長崎の遊女屋が丸山一ヶ所に纏められた後代のことで、この頃はまださほどではない。寛永五年(一六二八年)頃、耶蘇教弾圧の一環として踏み絵が始まったころの話だ。
遊女のなかにも信徒はいた。心中深く慚愧しながらかれの神を踏みにじったが、なかには恍惚と踏んだ者もいた。そういう者はおのれを恥じ、そんな邪心に鍵を掛けた。
喜蝶という遊女においては、これとは少し違っている。彼女は無信心だったが、この瞬間から深くキリシタンとなったので。
やがて彼女は身請けされ、珠のような男子を産んだ。子を見るや夫は激昂し、赤子の顔を斜め十字に切り裂いた。
のちの島原の乱の折、天草四郎が愛し、つねに側に置いた金の髪の童子がいた。顔に大きな刀傷があったが人外の美しさだったと、平成九年の夏、長崎のとある礼拝堂でわたしは神父に聞いた。その顔に、古い傷あとがあった。
男は真っ白な服を着ている。
「あなたは、昨日この病棟に入院することになった、水玉のパジャマを着た、三年前まで市民図書館だったところにいつのまにか建てられた、煉瓦造りの喫茶店の奥の席で、かならずエスプレッソを飲んだあとで、苦すぎると怒る老人の、ステッキを日本で唯一つくる事ができる職人が、弐百五段ある階段の三段目で、もうだめだと言いながら転んで運ばれてきたベッドの隣に寝転がってこともあろうに自分で自分に向かってわめき散らしている男だろう?」
気がつくと、男は水玉のパジャマを着ていた。
信じますか。自分の息子さんを。それともアカの他人である私を信じますか? あなたの息子さんが何をしたか分かりますか? そこにいる赤ん坊の首を絞めていたんですよ。それを自分は首を絞めてたんじゃないと言い張る。私はハッキリ見たんですよ。聞けば兄弟だというじゃありませんか。どうなってるんです、一体? まあいろんな家庭の事情があるのかも知れませんがね、あのまま私が気付かずに通り過ぎていたらと思うと、ゾッとしますよ。まあ結局は他人事ですよ、そりゃね、私はたまたま通り掛かっただけなんだ、だけどね、まあまだ小学4年生ぐらいですか? え? 5年生? ああそう。その5年生の男の子がですよ、そのベビーカーに乗った赤ちゃんをあやしてやってるんだ、ああいい子なんだな、ぐらい思いましたよ、最初はね。そしたらエ? 何か様子がおかしい。ベビーカーの陰で、男の子の両腕に力が入ってるのが見えたんで、脇を通る時にチラッと見たら、何と首を絞めてる。慌てて止めましたよ。そりゃ慌ててたんで殴るような感じだったかも知れない。だけどそれが何だっていうんです。赤ちゃんの命に比べたら些細なことでしょうが。私が殴ったっ
半熟をひっくり返すのと堅焼きをひっくり返すのとでは味はまったく違うのかもしれないけど多分意味はおんなじよ。だってほら、生意気に流されてみるのも熟練に押し倒されてしまうのも充実感は一緒でしょ。ページをめくればレシピを無視してみんながそう言っているわ。そういうものなんでしょ、アレって。
いやね、そんな目で見ないでよ。私まだ未経験なんだから。
考えたこともなかった。
ウチのおばあちゃんが死ぬなんて。
庭ではおばあちゃんの植えた向日葵が、今年もわたしの背をおいこして咲いている。
縁側から入道雲を見上げると、なぜだかため息がでた。
毎年暑いころになると、おばあちゃんがかえってくるんだってみんなは言うけれど、
わたしはまだ一度もかえってきたおばあちゃんを見たことがない。
「ただいま」
ふりかえると、提灯をぶらさげた女の子が立っていた。
「おばあちゃん。お母さんがスイカ切るって言ってるよ。」
女の子は手をひいて、わたしを家のなかへ連れていった。
「帰ってきたの?」
「そうだよ。」
女の子はうなずいた。
「何年ぶりになるんだろう。」
手をつないだまま縁側にすわると、居間には見たこともない人たちが大勢座って話
していた。
「‥だあれ。」
女の子は、困った顔でわらった。
「わたしたちはみんな、おばあちゃんの孫だよ。」
庭で、大きく咲いた向日葵がゆれていた。太陽に手をかざすと、いつのまにか枯れ
かけた花びらのように、手にしわが寄っていた。やわらかな指の隙間から入道雲がみ
えた。
チリン、と風鈴が鳴った。
ふりかえると居間にはかじりかけのスイカがひときれ、盆にのっていた。