1st Match / 新着メール1件 |
> 「新着メール1件です」 |
> 携帯が震えた。慌てて開いたら、例のごとくスパムだった。 |
2nd Match / けむり草 |
> 帰省したついでに、昔遊ばされた裏山に火を放った。すぐに遠くから悲鳴が聞こえ |
> 君が生きるためにはけむりになるしかない。 |
3rd Match / サッカリン主義 |
> 「サッカリンってのは人口甘味料でな、甘みを強くするために塩と一緒に使われる事 |
> サッカリン主食なのだ。彼は。茶碗一杯のサッカリンを三度三度の食後に飲み、三 |
4th Match / 熊の踊り |
> 影は待っている。ついさっきどこかへ行ってしまった主を。 |
> 烈火の最前線ガ島に夜襲があった時、燃える浜辺で仁王立ちしゆるやかに演舞して |
5th Match / 君待ち |
> キスをして、観覧車に飛び乗った。私のドアはもう閉まっている。唇の上にあなた |
> もし良ければ明日また遊んで下さい。 |
6th Match / みぎひだり |
> 海陸の境界線に向かい合わせに立つ。わたしの右足とあなたの左足は罅ぜた砂の上 |
> 「どっかの国でね、一つ目のネコが生まれたんだって」 |
7th Match / 音撃の島 |
> 空を見上げていたら、陰鬱な気分になってしまった。 |
> 砂ずきんは絶壁をゆっくりと垂直に登っていく。島に続々と舟が着き、いっそう数 |
8th Match / くすくす |
> 「今日は全国的に笑顔日和です。皆さん、今日も一日素敵な笑顔で過ごしましょう。」 |
> 「今日は全国的に笑顔日和です。皆さん、今日も一日素敵な笑顔で過ごしましょう。」 |
9th Match / ナイタイクスブッチトテポ |
> 箱の中で二十年。背の高さにも満たないので、中で立って歩くこともできない、本 |
> !!(チブッチボチベチバチブッチバ)スンダ―!スンダ!!(チブッチボチベチバ |
10th Match / ページの向こうに |
> 今日のノートより |
> 本というものは、本当に不思議なもので、読む人物により印象は万華鏡のようにさ |
11th Match / シロクマ通り |
> うちの街には南北に五キロくらいの細くて長い道路が走っている。通りは中央に二 |
> うち棄てられた路地裏は迷路であり、家々の窓から零れるまるくて暖かい灯は、堆 |
12th Match / どこまでも歩いていく |
> 真白な平野を一人の男が歩いている。卸したてのようにぴしっとしたスーツを着こ |
> ランドセルのフックには、給食袋がかかっている。 |
13th Match / 夜の観察会 |
> 夜を観る僕たちを包む夜を観る僕たちを包む夜を観る僕たちを包む夜を観る僕たち |
> 宵からやがて空が白むまでの間、夜は幾千幾万のメタモルフォーゼを繰り返す。闇 |
14th Match / 幽 |
> 円。 |
> 歩いている、道を歩いている。かつてといつかを繋ぐ、あの日の稜線に、日が沈んで |
15th Match / Follow me. |
> 大風の通った次の日、私はそこを訪ねたのです。 |
> 「神様に会いに行こう。」 |
16th Match / ダイヤモンドフィッシュ |
> ブリリアントカットされたクリスタルガラスを強く握る。発見されたままの形で白 |
> 暗い海の中を、群れが矢のように過ぎて行く。 |