超短篇・500文字の心臓

作品募集2021年01月06日更新)

第180回タイトル競作『白白白』投稿方法

募集締切:2021年01月17日(日)



集計結果(2020年12月23日更新)

第179回タイトル競作『鶏が先』集計結果

作品一覧



作品発表(2020年11月26日更新)

第179回タイトル競作『鶏が先』作品一覧

選評締切:2020年月12月13日(日) →選評掲示板





タイトル競作 正選王受賞作品

 鶏が先5 作者:まつじ

 2は耽った。黙考、黙考、深く深く。然し、気付く、我を得るより前の事。私は1ではなかったろうか。黙考、黙考、深く深く。過ぎ去った1は、失われたようでもある。無ではないが。2は耽った。1よりも前。私は0ではなかったろうか。無ではなく、0として在る私を産んだのは、誰だったろうか。黙考、黙考、黙考、黙考。緩やかな閃光。
 目覚めを告げるように啼く。
 初めての感覚。
 目覚めを告げるように啼く。
 羽根を広げる。

 鶏は耽った。私は0ではなかったろうか。
 啼くたび、薄れいく。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 鶏が先11 作者:磯村咲

 だって、テレビを点けたらたまたまバラエティ番組で、出演者がそのフレーズを使ったんだ。彼女は苦虫をかみつぶしたような顔をした。
「知ってる言葉があるからって、安易に口にし過ぎでしょ。例えとして雑すぎる。」
そして続けた。
「問いに答えられないことをもって、はい論破、という輩には、それが矛盾を突くどころではなく単に意味のない問いであることが分からないんだ。その体系内で成り立たないような問いが全部無意味だということではないよ。でもそれは体系に外がある視点を持ち得る限りであって、真偽を問えるような話ではないよね。」
 止まらないねえ。ポイントの切り替えを試みる。
「あー、じゃあ問いが意味をもつように条件を加えていくのはどう?例えば親子丼ならどう?」
「そこまで限定すると狭義の経験則が適用できるけれど、当初の問いとは全く別物になったねえ。」
 狭義の経験則を適用して答えて欲しかったのに、答えへの到達を終点にしたかったのに、彼女は条件を加えるということ、条件を外すということについて話し続けている。
 言葉が先か疑問が先か、存在が先か言葉が先か。澱みない言葉の先にはあるのであろう彼女の存在が曖昧になっていく。