超短篇・500文字の心臓

作品発表(2017年08月10日更新)

第156回タイトル競作『百年と八日目の蝉』作品一覧

選評締切:2017年月08月20日(日) →選評掲示板



作品募集(2017年07月14日更新)

第157回タイトル競作『百年と八日目の蝉』投稿方法

募集締切:2017年07月30日(日)



集計結果(2017年07月02日更新)

第156回タイトル競作『永遠凝視者』集計結果

作品一覧





タイトル競作 正選王受賞作品

 永遠凝視者5 作者:たなかなつみ

 春になると土から眼玉が湧いてくる。縁起物なので拾い集め、瓶に詰めてテーブルの上に飾る。乾いてしまわないようにときどき水をやる。乾くと割れてしまうが、水さえ切らさなければ、その瞳がぐるぐると動くのを冬の時期まで楽しむことができる。
 わたしの恋人は異境からやってきたヒトで、瓶詰めの眼玉を怖がる。それがどんなに癒しを与えてくれ、幸いを運んできてくれるか、恋人は知らない。眼玉の前でキスをするのを嫌がる。ハグさえ拒む。何に脅えているのかわからない。
 季節が移り、異境の地と戦が始まった。恋人は故郷に徴兵されることになった。旅立つにあたり、まずはこの忌まわしい眼玉を潰していくと恋人が言ったので、わたしは躊躇なく恋人の額に銃弾を打ち込んだ。恋人の眼玉はだらりと眼窩から落ちてきたが、拾わなかった。それは仮の生命に宿っていただけのもの。永遠を見ることはない。
 凍った湖に小さく穴を空け、瓶から眼玉を流し込んだ。眼玉はわたしにその瞳を向けたまま漂い沈んでいく。春になるとまた幸いを運んでくる。その頃にはこの戦も終わり、眼玉もわたしたちのところへ戻ってくるのだ。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 永遠凝視者10 作者:紙男

囚人が一名脱獄した。独房の壁には大きな穴が開いており、そこから外へ逃げ出したと考えられる。
看守は頭を抱えた。「くそっ、道具もなしにどうやって……!」
「不可解な行動は何もなかったのか?」と所長。
「いいえ、特には……。あるとすれば、収容されて以来何かにとり憑かれたように、永遠とあの壁を見つめていたくらいで……」
「! ま、まさか!」
「どうしました?!」
「恐らくやつは『穴が開くほどに』永遠と壁を凝視し続けた結果、本当に視線で穴を開けたやがったんだ!」
「な、なんだってー!?」