超短篇・500文字の心臓

集計結果(2020年10月15日更新)

第178回タイトル競作『パステルカラーの神様』集計結果

作品一覧



作品発表(2020年09月19日更新)

第178回タイトル競作『パステルカラーの神様』作品一覧

選評締切:2020年月10月04日(日) →選評掲示板



作品募集2020年08月31日更新)

第178回タイトル競作『パステルカラーの神様』投稿方法

募集締切:2020年09月13日(日)





タイトル競作 正選王受賞作品

 パステルカラーの神様12 作者:つとむュー

 湖に行くと、女神様が現れた。
「あなたが落とした観音様は、どの色でしたか? ミントグリーン? シュリンプピンク? それともフォゲットミーノット?」
「ミントグリーンです」と答えると、すごくパステルな観音様をいただいた。
 大きさは三〇センチくらい。バッグの中に入れて家に帰る。
 すると夜になると、観音様が夢枕に立った。
「あなたが笠を掛けたお地蔵様は、どの色でしたか? ペールオレンジ? クリームイエロー? それともフォゲットミーノット?」
「ペールオレンジです」と答えると、翌日、お地蔵様がお礼に訪れた。
 ずいぶんとパステルなお地蔵様が、私に尋ねる。
「あなたが湖畔で出会った女神様は、どの色でしたか? ホライズンブルー? 天色? それともフォゲットミーノット?」
 うーん……わからない……。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 パステルカラーの神様3 作者:空虹桜

「八百万の国だば『クセンコムシ』おってもおがしぐねべよ」
「知らないし、ツッコミどこ多すぎるし」
 クセンコムシて。
 JKの肩乗んな。
 カメムシにしては綺麗だけど、臭いよ。カメムシ。
 肩乗んな。
「うだでうだでもだばな。一部さ切り取ったら存外うだで言っててらいねがら、白黒ハッキリささね」
「黙れ。エセ津軽弁」
 ググったらちゃんとヒットした。クセンコムシ。
 とはいえ、アイツらは全員死ねばいい。
 心底呪詛するわたしはもっと。
「『算数みたいに割り切れね』言うやずだば、『絶対安全って言い切れる?』言うはんで、だども数学だば、わがんねこと『x』にして、わがんねまま扱えるっきゃよ。箱さ入れてまえば、猫は生きてんだぴょん」
「でも、勝手にわたしの裏垢作って、ウリやってるとか言いふらすぴょん」
 誰がこんな田舎でウるか。
 ぴょん伝染った。
 で、津軽って何処?
「わば見てみ。わの色は青や黄色で作れね。いが? 色だば色相、彩度、明度。三属性あんべ」
 カメムシが賢しい。妙な説得力。
 赦せって?
 正しさより、わたしを守れよ。
「説教臭い」
「せば、クセンコムシだっきゃよ」


タイトル競作 逆選王受賞作品

 パステルカラーの神様8 作者:はやみかつとし

 髪を染めた。虹色に輝くだけでは少し圧が強すぎて引かれるかもと思ったから、全体に明度を上げて、彩度は気持ち下げて、軽くしてみた。勇気が足りない、って言われたし、自分でもそうかな、日和ってるかな、と少し思う。でもこんな世の中じゃ、少しでも受け入れられやすいほうから始めるしかないよね。きっと神様だってそれはわかってくれる。だから私は今日から、このふんわりした髪の色を旗印にして、でもここから一歩も退かないたたかいを生きるんだ、ずっと、ずっと。


タイトル競作 逆選王受賞作品

 パステルカラーの神様10 作者:永子

 長く長ァくのびるビルの影に、ぼんやりとしたシルエットだけの鴎が飛び交っていました。
 前方を見ると、淡い滝。もしかしてだまし絵の川だったのなら架空なわたしはくすくす笑うでしょうけれど、ずうっと遠ざかって見えなくならないといけない運命の流れがうっすら浮かび上がっています。日に日に近づいてきている気さえします。
 案外あたたかな三途の川を、渡らないで歩いたり本を読んだり考えたりなどしているうちに、ホームのアーク灯が、こう、ぽっぽっと点って、あの赤い珊瑚のカンザシなんかとっくに捨てたっけ。
 とぷんと飛びこみ、あやふやでやわらかに連ねる。