超短篇・500文字の心臓

作品募集(2018年01月05日更新)

第160回タイトル競作『タルタルソース』投稿方法

募集締切:2018年01月14日(日)



集計結果(2017年12月18日更新)

第159回タイトル競作『水色の散歩道』集計結果

作品一覧



作品発表(2017年11月26日更新)

第159回タイトル競作『水色の散歩道』作品一覧

選評締切:2017年月12月03日(日) →選評掲示板





タイトル競作 正選王受賞作品

 水色の散歩道12 作者:空虹桜

 小学校入学早々、まっちゃんの青いランドセルをカッコいいと強奪し、以降、わたしはパンキーな女の子と認知され、もうすぐ高校を卒業するってのに、汚名を雪ぐどころか、むしろ、ファンキーとヤンキーを兼ね備えた、ありきたりな田舎ガールに成り上がった。
 内在してるガーリーやファンシーに気づいてくれる男は、だいたいナヨッとした残念男子か老人で、ヤれると思って近づいてくる男の子らは、案外身持ちの堅いわたしに気づいた途端、ホントに軽い娘へ流れる。うんざりしないではないけど、そういう時の捨て台詞コレクションはなかなかなもので、呟けば三桁RTを軽く超える。
 卒業して田舎を出るか残るかは、それほど問題にならなかった。出て行く理由も残りたい理由も無くて、通学路脇の川の流れに身を任せたみたいだけど、河口の街に就職する。
 パンキーもファンキーもヤンキーもガーリーもファンシーも、全部抱えてわたしは大人になる。歳を取り、たまに帰ってきたわたしはきっと、今のわたしと手つなぎして歩くのだ。この、かつての通学路を。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 水色の散歩道2 作者:森野照葉

「なんだ、金も持たずにここに来たのか」
 霧に包まれた橋の袂で立ち往生していた私に向かって老婆がそう言った。金が必要であることを知らなかった私は、身に着けていた衣服を老婆に剥ぎ取られてしまった。
「こいつは金の代わりだよ。まったく、石を積むって歳でもないのに」
 老婆は私の衣服を傍にあった木に掛けながら、そう言った。その木にはたくさんの衣服が掛けられていた。
「あんた、歩くなら浅いところを歩きな」
 老婆に言われるがまま、私は底の浅い川を渡ろうとした。私には帰る場所があるという確信だけがあって、そこが一体どこなのかは分からないという不思議な感覚があった。
片足を水に付けた途端、首元がきゅっと締め付けられた。苦しいので首元に手を当てると、麻縄が巻き付いていた。ぐっと前に引っ張られる感覚が襲って来たかと思うと、体が宙に浮き、私は浅い川面を滑るように直進した。川面に映った私の顔は妙に蒼白であり、また、見知った男女の寝顔が見えた。
目を覚ますと、私は冷たい湖に顔を浸していた。顔をあげて周囲を見ると、木の枝に麻縄を括り付け、首を吊っている男女の姿があった。
木には私の衣服が掛けられており、私の首元には麻縄があった。