超短篇・500文字の心臓

作品発表(2022年04月24日更新)

第187回タイトル競作『誰かがタマネギを炒めている』作品一覧

選評締切:2022年月05月08日(日)選評掲示板



作品募集2022年03月31日更新)

第187回タイトル競作『誰かがタマネギを炒めている』投稿方法

募集締切:2022年04月17日(日)



集計結果(2022年03月17日更新)

第186回タイトル競作『ブルース』集計結果

作品一覧





タイトル競作 正選王受賞作品

 ブルース8 作者:つとむュー

「室長、大変です。ブルーノート株が日本に上陸しました」
「なに?」
 研究室が騒めいた。
 入国時の検体から新株が検出されたというのだ。
「それはどんな特徴だ?」
「三番目と五番目と七番目のスパイクたんぱく質の長さが半分なんです」
「それで感染するとどうなる?」
「はい、ブルーノート株に感染すると――」
 研究員の言葉に、室長はゴクリと唾を飲む。
「少し悲しげな感じになります」
「悲しげに? それだけなら問題ないではないか?」
「いや、問題です。感染力が強く重症化しやすいんです。ついには歌い始めてしまいます」
「歌い始める?」
 室長が眉を潜めた瞬間、一人の研究員がギターを持って現れた。
「リズムはブルースで、Bから始めるよ!」
 と同時にリフを奏で始めたのだ。
「実はですね、彼は重症化してしまい――」
「おいおい、ダメじゃないか!?」
「皆も感染しちゃいました!」
 研究員一同が楽器を取り出した。
『ルイジアナ奥地のニューオリンズ近郊で』
「めっちゃ明るい曲なんだけど?」
『行け行け、ジョニー行け!』
「行け行け!」
 ついには室長も歌い出してしまうほど感染力が強いのであった。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 ブルース13 作者:空虹桜

 今朝のわたしは機嫌がいい。他者とは関係無い。駅へ最短の繁華な元闇市。如何わしいこの街並の残像を無駄に捕らえる。意味深に。
『川崎区で有名になりたきゃ 人殺すかラッパーになるかだ』
 通勤路でBeats Fit Proが再生するBAD HOP「Kawasaki Drift」
 Explicitは便利だけど、ユーモアが失われる気もする。
「職質止めて」
 酔っ払いの悲鳴に、直截だからユーモラスな時もあると思い出す。土地柄、赤字も大惨事も日常茶飯事。改札を抜ける。
 やぎこにMoment Joon、なみちえでハイパヨからLil Nas Xのおみそはん、鎮座にMegan Thee Stallion、ヒプマイとBTS「Dynamite」
 シャッフルだと尚更、ラップなんてただの唄。これが音楽じゃなくて、ただの騒音だとしてもヒップホップなんてただの精神。
 一駅乗り過ごしても、満足だけは譲れない。血肉になってるリリックを囀る。そんな気分なのです。
 職場 a.k.a つるみの塔そば駅前で、赤目の達磨のオジキが合法的なトび方をビラ配り。人混みを馬鹿が自転車でやってくる。
 あゝ、Forever Youngっても、掲揚するパンチラインが古いのは、心のベストテン第一位があんな曲だからだ。