超短篇・500文字の心臓

作品募集(2017年02月10日更新)

第154回タイトル競作『かわき、ざわめき、まがまがし』投稿方法

募集締切:2017年02月19日(日)



集計結果(2017年01月31日更新)

第153回タイトル競作『P』集計結果

作品一覧



作品発表(2017年01月14日更新)

第153回タイトル競作『P』作品一覧

選評締切:2017年月01月22日(日) →選評掲示板





タイトル競作 正選王受賞作品

 P13 作者:よもぎ

近頃、町のあちこちでPという看板を見かける。駐車場ではなく店の名前でもなく電話番号や地図があるわけでもなくただPと書いてある。
不思議に思って後輩に「Pってなんだ?」と尋ねたら「あれはイイっすよね!」と満面の笑みで返された。
娘に尋ねると「知らないの?マジで?」と真顔で見つめられた。
妻に尋ねると「イヤだ、あなたったら」と顔を赤らめられた。
テレビで女性タレントが「本当に癒されますよね」と目を細めていた。
近所の小学生が「マジすげー!かっけー!」と走っていった。
帰宅途中、私は街角のPに触れてみた。
おおぅ。なるほど。いや、これは。なるほど。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 P9 作者:瀬川潮♭

 夜空の星が全て落ちてきた。
「実は宇宙は一つの大きな果樹園ですから」
 天文台に問い合わせると職員はそう答えた。いまひとつ納得できなかったけど落ちてきた赤い星を一つ手にすることができたので納得しておくことにする。
 それをかじると、瞬間的な華やかさが口に広がった。のち、寂しく衰退していく感覚。自然に涙が落ちるような、不思議な味だった。あるいは、慣れ親しんだ味なのかもしれない。
 一方、実の落ちる季節の終わった夜空には新たな星たちが輝くようになっていた。いずれも星一つの形がPの字。だと思う。自信がないのは星が大きかったり小さかったりするから。Cの字だと視力検査ができそう。
「だからといって、太陽はじっくり見ないでくださいね」
 問い合わせた天文台職員の言葉。
 はっと気付いて見上げた東の山から昇った太陽は、Pだった。
 まったく見たことのない光景。
 新しい朝だ。
 どこか心の弾む新しいPちにちが、始まる。