超短篇・500文字の心臓

作品募集(2017年05月17日更新)

第156回タイトル競作『永遠凝視者』投稿方法

募集締切:2017年05月31日(水)



集計結果(2017年05月05日更新)

第155回タイトル競作『投網観光開発』集計結果

作品一覧



作品発表(2017年04月18日更新)

第155回タイトル競作『投網観光開発』作品一覧

選評締切:2017年月04月26日(水) →選評掲示板





タイトル競作 正選王受賞作品

 投網観光開発1 作者:瀬川潮♭

 妙に虫がいると思ったら網戸の目が粗かった。
「投網を使ってますから」
 旅館の受付に文句を言うとさも当然という感じ。
 むしゃくしゃするので温泉に漬かると、足下にごろりと違和感が。
「投網ですけけえ、許してやってつかぁさい」
 隣の小浴槽を酒風呂にしていた従業員がにこにこ言う。
心の引っ掛かりとともに出る。広間で誰かが卓球をしていた。
 ネットの目が粗い。聞かずとも分かる。投網だ。
 それからはどこに出掛けてもそんな感じ。バスを覆っていたり学校のフェンスだったり子どもの持ってる虫取り網だったりテニスのラケットだったり陸上自衛隊の車両だったり……。
「これは標準装備です」
 怒られてしまった。

「とにかくおかしな所だったよ」
 帰って友人相手に旅行話。なにが魅力で観光客数が伸びているのか分からない。
 友人は落ち着いて返してきた。
「少なくとも、君がもう絡め取られているのは分かったよ」
「え?」
「服の裾に『岩』がついてるし、ほら」
 私の上着にいつの間にかついていた錘を指さした後、背後を振り返る。
 歩いた雨上がりの公園には、友人の足跡。
 私の足跡は何かを引きずった跡で消されていた。



タイトル競作 逆選王受賞作品

 投網観光開発12 作者:空虹桜

「今夜も『the 和 make it』! お相手はトニーと」
「アンナです。ねぇトニー。今日はどうmake itするの?」
「真窯菓子の『茶碗蒸し』で、和のPUDDINGをmake itだ」
「WAO!」
「まずは下拵えだ。材料・分量はこの通り。まず、鶏肉を小さめに切ったら、さっと熱湯をかけ、塩ひとつまみを揉み込んでくれ」
「OK。トニー。Sweetsなのにお肉を入れるのね」
「これぞ、fantastic和!他にも、椎茸と百合根、三つ葉を切って、海老を塩茹でする」
「『百合根』ってcuteね」
「THE和って感じだね。OK。次に、アンナは卵を溶いてくれ」
「どれぐらい溶けばいいの?」
「日本人の肌色ぐらいかな。ハハハ。僕は窯の火を熾して水を過沸きさせるよ。そして、冷ました出汁に醤油と塩を溶かして混ぜるんだ」
「トニー、もう疲れた。これぐらいでどう?」
「GOOD! じゃあ、僕は調味した出汁とあわせて一度漉す。アンナは茶碗に下拵えした具を盛ってくれ」
「宝物を埋めるみたい!」
「漉した卵液をそっと注いで蒸すんだけど、残念。実食は明日にお預けだ。SEE YOU!」