500文字の心臓

トップ > タイトル競作 > 集計結果 > 第180回:白白白


短さは蝶だ。短さは未来だ。

白白白1 作者:はやみかつとし

 パイク、祖国ではペクと言ったかもしれないが、彼は最後の作品を仕上げようとしていた。

 ○正選、1点/海音寺ジョー
 △次点、0点/
 ×逆選、1点/永子



白白白2 作者:水池亘

 それは確かに大福なのだった。仲良く三つ並んでぴょこぴょこ跳ねている。白い皮に、白い粉化粧。

 ○正選、6点/磯村咲、たなか、胡乱舎猫支店(2)、海音寺ジョー、永子
 △次点、2点/はやかつ、まつじ
 ×逆選、0点/



白白白3 作者:胡乱舎猫支店

 このファミレスを最後にこの町を出た。小5の時父の浮気相手が男を産んだから母と妹と共に捨てられたのだ。

 ○正選、0点/
 △次点、0点/
 ×逆選、1点/磯村咲



白白白4 作者:脳内亭

 あと一歩でパーフェクトだったのに、三本のこっちゃったか、あーあ。

 ○正選、1点/つとむュー
 △次点、0点/
 ×逆選、2点/たなか、海音寺ジョー



白白白5 作者:つとむュー

 二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。

 ○正選、1点/空虹桜
 △次点、5点/磯村咲、たなか、海音寺ジョー、まつじ、雪雪
 ×逆選、1点/脳内亭



白白白6 作者:たなかなつみ

 手渡されたのは上等な絹。光沢があり、透けるように白く、喩えようもなく軽い。

 ○正選、0点/
 △次点、0点/
 ×逆選、1点/胡乱舎猫支店



白白白7 作者:空虹桜

 その巨大鉤虫が発する音は、たしかに「白白白」と表記するのを適切に感じた。

 ○正選、1点/水池亘
 △次点、0点/
 ×逆選、0点/



白白白8 作者:まつじ

 白ほど美しい色を私は知りません。もっとも無垢で、清く、尊い。

 ○正選、4点/つとむュー、たなか、水池亘、永子
 △次点、0点/
 ×逆選、2点/はやかつ、雪雪



白白白9 作者:まつじ

 やけに時代がかっていたので、夢であったろうと思う。

 ○正選、2点/雪雪(2)
 △次点、1点/磯村咲
 ×逆選、0点/



白白白10 作者:はやみかつとし

問 □□□ これに振りがなを振りなさい。

 ○正選、0点/
 △次点、0点/
 ×逆選、3点/空虹桜、つとむュー、水池亘



白白白11 作者:空虹桜

 夜。

 ○正選、0点/
 △次点、0点/
 ×逆選、0点/



白白白12 作者:磯村咲

 積もりましたよとヘルパーさんはカーテンを開けてくれた。ガラスの内側は曇り、

 ○正選、5点/空虹桜、はやかつ、脳内亭(2)、まつじ
 △次点、3点/つとむュー、胡乱舎猫支店、海音寺ジョー
 ×逆選、0点/



白白白13 作者:海音寺ジョー

「ニャオー!ぼくではありません」

 ○正選、0点/
 △次点、2点/つとむュー、胡乱舎猫支店
 ×逆選、0点/



白白白14 作者:雪雪

ヒトの女性の中に一定数、四原色を見ている人がいるという。可視帯域が異なっているわけではないから、

 ○正選、3点/はやかつ、磯村咲、まつじ
 △次点、4点/空虹桜、たなか、水池亘、永子
 ×逆選、0点/



白白白15 作者:脳内亭

 目隠しされたメジロは木の枝の上でじっと考えている。右隣りのやつも左隣りのやつも、

 ○正選、0点/
 △次点、1点/まつじ
 ×逆選、0点/



 従いまして正選王は、正選6点・次点2点・逆選0点の<白白白2>の水池亘さんに、また、逆選王は正選0点・次点0点・逆選3点の<白白白10>のはやみかつとしさんに、それぞれ決まりました。
 おめでとうございます。