1st Match / 今何時ですか |
> お付き合いしたくて、時計をポケットにしまった。 |
> 今、何時ですかっておにいさん、さっきから時間ばっかり気にしておいやす |
2nd Match / 残像 |
> 夢とうつつのあわいは、壁と床とのあいだのほんの隙間にあるらしく、眠りに |
> 型崩れしかけたスーツの男が光秀を注文する。まだ若い声だ。マスターは微か |
3rd Match / 森が消える |
> 地底ハト麦街の最深下層にして、廃棄バナナ処理施設階でもあるアンダーレベ |
> 棒になった足を投げ出してそのまま寝っ転がる。雑草と防護服の擦れ合う音が聞 |
4th Match / 自転車に乗って |
> 先頭は曲乗りの神父さま。新郎新婦にその両親、親戚、友人、村人たちも連なっ |
> 想いは行動で示すしかなくて、僕は必死でペダルを漕ぐ。 |
5th Match / 墓を掘り返す |
> 春が訪れると鍵を落とす。よく判らないのだけども兎に角、鍵を落としに落と |
> 虹の始まりは誰かの街から、そして虹の終わりは僕の街へ。 |
6th Match / 誰も知らない言葉 |
> おばあちゃんがね、おしえてくれたことばでおねがいするとね、お花がたくさ |
> まるで伝わらないのだ。僕の思っていること全てが。 |
7th Match / 溺れる魔女 |
> 群青色の天蓋に覆われて、誰もものを言わなくなる季節が来ると、少女たちが |
> おぼれるまじょが みちのうえ |
8th Match / What A Wonderful World |
> おはようございます。午前7時となりました。 |
> 地平線はどこまでものびていて、その端に立って手をさしだせば北極星にさわ |