空が綺麗です。
きみにもここの空を見せたい。
エーテルに満ちた空をロケットが突き抜けていきます。
僕は言葉が下手だから、うまく説明出来ない。
ロケットには夕焼けと月が似合います。
本当に空が綺麗です。
だからこの空を、直接きみに送る事にしました。
気に入らなかったらすぐ捨てて良いので。
これは僕の部屋の窓の、左側の空です。
右側より左側の方が綺麗だし、ロケットが飛ぶのも左側。
空はいつも綺麗なのだけど、やっぱり夕焼けが僕は好きかな。
そちらの時間とはずれるだろうけど、見てみて下さい。
夕焼けを見るときみを思い出します。
実を言えば、きみの事を考えている時だけ、僕は無感動になるの。
前はこんな事なかったのに、なんでかなあ。
ここの空は切り取ると、そこから水が溢れて来ます。
きみも知っているでしょう。
綺麗な空から溢れてきた水は冷たくて、やっぱり綺麗でした。
全部を流してしまうのは勿体ないので、空のインク瓶に小分けにしました。
あと花に水を上げたり、水槽の水を交換したりもしたかな。
僕の部屋からの方角では、ロケットが見えなくなってしまいました。
だから僕はこの空がちゃんときみに届くか、心配になってしまうと思う。
でもロケットが飛ぶ時間には、きみの事を考えているつもりです。
机に並べたインク瓶を眺めたりしながら、そして花に水を上げるつもりです。