1st Match / ツバメの速度 |
> 子供スズメはツバメに憧れていた。空を高速でかっ飛ぶツバメを一目見たと |
> ある一羽のツバメが海を渡るときに、力尽きようとしていた。ヤケを起こし |
2nd Match / 群青警報 |
> 四時三十分。夕暮れにはまだ早い町にサイレンが鳴り響く。警報の発令。そ |
> 100日のあいだ、日照りは続いた。 |
3rd Match / 食べるな |
> 夜のアタマ。 |
> 庭先で、自分の尻尾に噛みつきながらいつまでも回っている犬がいて、それ |
4th Match / ごめんね。 |
> いつの間にか背高山高に囲まれていて、アタシは隣に居たはずの父の姿を見 |
> 「口先だけの心ない詫び言は聞きたくねー」とオトコ、だから私は口先だけじゃ |
5th Match / 日本製 |
> 「ずいぶんマニアックのにしたんだ」 |
> 鉛筆というのは大抵ひとつの箱に1ダース、つまり12本入っているもので、 |
6th Match / ポケットのなかのスキップ |
> つまらないくだらないやめたいにげたいなにもしたくないどうしようもない |
> ボクはポケットの中にタイムホールを持っている。 |
7th Match / 踊り子たち |
> そうです。、全ては私が悪いのです。 |
> 君の右手の上で小さな踊り子が一人。くるくる回って、二人になって、手を |
8th Match / ニガヨモギの夜 |
> 月が顔を出し、薮は銀色に輝いた。やせっぽちは草を刈る手を止めた。声が |
> 隣の家に救急車が止まった。芽ちゃんが担架で乗せられていく。 |
9th Match / 鍵のくに |
> 管財人がやって来て、茶封筒を差し出す。わたしはそれを受けとり、ペーパー |
> 鍵のくにでは人の心を開くのにも鍵が要る。恋人になろうとする男女はお互 |
10th Match / 百樂颱風 |
> 海の彼方に目を細め老師はつぶやいた。 |
> わくわくしながら気象情報を聞き、待ちわびた。今度のは風が違う。年に一回 |
11th Match / All of me |
> 僕には何かが欠けている気がするんだ。 |
> 腸カメラを覗きながら医師が言う、何の問題もないきれいなピンク色ですよ。 |
12th Match / 50の方法 |
> 50人集まれば、50の方法がある、と小学校で、教えてくれた。 |
> 死んだ大ダコが砂浜に打ち上げられた。子供達が群れて見に行った。馬鹿で |
13th Match / F |
> いつの間にかまどろんでいたらしい。 |
> ふとした切っ掛けで壁抜け男と友達になる。壁抜け男は壁抜けが出来るとい |