1st Match / 硬貨は回る |
> 硬貨一枚に未来を託す。今までこうして来た。空に向け弾けばぴんと軽い音。 |
> グッドラックと言ってあいつは去った。 |
2nd Match / 対角線 (Loss) |
> 痛み止めを打ってでも木更津まで行ったのは、これが最後かもしれないと思った |
> 向かい合わせに、でも恥ずかしいので俯きながら席に着く俺に「ご趣味は?」 |
3rd Match / カルタ・カステラ・カルカッタ |
> カルタ・打つから・死んじゃった |
> 世界地図のカルカッタをプロッ |
4th Match / 月の夜の星の |
> 夜の散歩をしていると、小人の行進に出会った。彼らに顔はなく、のっぺりと |
> 雲の流転、流転の速度、速度の向こう、向こうの星が現れ出でる。 |
5th Match / 黒い虹 |
> 少女の瞳は凛として躊躇がない。少女は迷わない。臆しない。だから女も少女 |
> 一匹の金魚がひらひらとしている。 |
6th Match / とらんじすた・らじお |
> 朝。そのニュースを知らされても、ボクは別に何とも思わなかったし。ふー |
> 夜になると カラカラ砂漠の真ん中に一軒のカフェーが現れる |
7th Match / 吊られた男 |
> 少女はそっと目を覚ます。部屋と世界をいびつに隔てる窓の、そのなかに薄藍 |
> 足を紐で結わえ付けられた男が空からぶら下がっている。手を伸ばして指の先 |
8th Match / 恋とサファイア |
> 「大丈夫よ」携帯電話の向こうで彼女が言う。 |
> サファイアは博物館に展示されている。ぼくは暇さえあれば博物館を訪れ、サ |