1st Match / 泥棒市場 |
> 老女はざばりと黒いものを引き出した。真っ暗な甕がしばし波打つ。 |
> だからそうそうそういうこった |
2nd Match / 庭園の美 |
> 「よし。次は女、館の方角へ20歩」 |
> この世で一番美しいとたたえられたフラクタル王の庭園は今は見る影もなく荒れ果 |
3rd Match / 知らないふりもできない |
> だって放っとけないよ。君はずっと辛そうにしてて、僕にできる事があれば力になり |
> 「気をつけなさい。」 |
4th Match / 信念のパズル |
> 男は言った。「愛されるより愛するべきさ」 |
> 変な爺さんに会った。歩道際のベンチに座ったまま、俺に紙切れを |
5th Match / じゃがいも祭り |
> カラリと晴れた十月の朝のことだっぺ。物干に大ぎな袋を吊るしでいると向かいのじ |
> 「4年に一度行われる馬鈴薯の祭典、国際馬鈴薯競技大会。通称『ジャガリンピック』 |
6th Match / 腐りゆく |
> 空が落ちてくる。蒼い、灰色の、薄汚れた水色の、空のかたまりが、ぼとりぼとり |
> 奥の方は、さらに奇妙な様相を呈していた。 |
7th Match / 透明な図書館 |
> 正しい名前を知らないので、私は彼のことを図書館司書とだけ呼んできた。それが |
> 聞こえてくるのは木々のざわめきと小鳥のさえずり。木漏れ日のさしこむこの道を |
8th Match / シュガー・マジック |
> ノースリーブワンピースから伸びた長くて白い腕が自慢なの。 |
> 長い旅から帰ってくると、庭の甘夏の木のもとに、思わぬものが出現していた。大 |
9th Match / 竹林の目 |
> 今夜は満月なので小鬼は河原で石を拾います。 |
> 私に誘われるままに乗った列車は、やがてひび割れたアナウンスとともに終着駅に |
10th Match / ヴァリゾープ |
> ピンポーン。台所で皿洗いをしていた彼女はスリッパの音をたて、エプロンで手を |
> 1984年にアメリカで作られたスパイ映画『パーフェクトプロセス』。興業的に |