500文字の心臓

トップ > タイトル競作 > 作品一覧 > 第23回:私がダイヤモンドだ


短さは蝶だ。短さは未来だ。

「私がダイヤモンドだ!」
父は声高にそう叫んだ。父のその威風堂々たる姿はまるで将軍様のようであった。
「硬度十、ダイヤモンドパワー!」
いよいよ父の勢いは誰にも止められない。そのよれよれのランニングシャツから、黄色く染みのついた股引から、気高い光が放たれている。
「我は究極の光をはなーちぃ! 世界随一の硬質をほこうぉーる!」
 これが、今朝早くからハローワークに出向き「今日も収穫なしか……」と、先ほどまで寂しそうに肩を下ろしていた人間と本当に同一人物であろうか? 今の父の姿は、常に時代の先を見据える先見性と、常識に捕われない卓越したアイデアと行動力を合わせ持ち、一代で大会社を築き上げた経営者の姿と見紛うばかりの迫力である。
「おいやぅぉおおああー! ごぎゃぐぅごがあああああ!」
 父は力強く叫び、僕の作った夕飯のカレーライスをテーブルごとひっくり返し、そのままの勢いで、二十六インチのブラウン管テレビに頭から突っ込んで行った。父の頭には無数の硝子の破片が突き刺さり、まるで本物のダイヤモンドのようにキラキラと光り輝いている。そのあまりの美しさに僕は歓喜の涙を流し、体を大きく震わせた。ふと、「私のダイヤの指輪をなくしたから」という理由で、妹を連れて家を出て行った母の姿が思い出された。何を言ってるんだ。ダイヤモンドはここにいる。ダイヤモンドはここにある。僕は血だらけになりながら立ちすくむ父の体を強く抱きしめた。



「ご隠居!ご隠居!アレ?いねぇや。いい加減クタばっちまったか…」
「勝手に人を殺すんじゃない」
「ひぇ〜!出たぁぁぁ〜〜〜」
「人を殺した上に幽霊扱いとは。ほれ!しっかり両の脚で立ってるだろ」
「ホントだ。それにしてもご隠居。ずいぶん薄汚い股引で」
「余計なこと言うんじゃない。で、なにしに来たんだい?今日は」
「そうだ忘れてた。ご隠居、今日はなんの日で?」
「今日は中秋の名月で。って、どうせ八つぁんだ。おカミさんになにか言われたね?」
「ご隠居〜。ウチのカカァ『今日がなんの日か忘れたってのかい!!』とか言って人の尻ひっぱたくんですぜ」
「八つぁんいいかい。女の人がそんなこと言うのは誕生日か結婚記念日と相場が決まってるんだ」
「てことはカカァのヤツ、人の尻引っぱたいておねだりですかい?そりゃあんまりだ」
「物は言い様だね」
「そもそもおいらにねだろうって魂胆が気に食わねぇ」
「八つぁんに金銀財宝、ダイヤモンドを買う甲斐性が無いのは長屋中みんなが知ってるんだ。いいかい。女の人はちょっとした希少価値に滅法弱いんだ」
「それなら手ぶらで十分だ。『私がダイヤモンドだ』ってね」
 おあとがよろしいようで。



誰よりも私が一番美しい。誰よりも一番輝いている。
 胸につけているプラスチックのルビーよりも、誰もが私に惹きつけられる。
 私自身がダイヤモンドなのだから。
「もうケイ君ひっぱんないでよー」
「やだよ。リョウ君こそ、昨日このお人形さんで遊んだでしょ!」
「これは僕のだもん」
「ウソツキ、先生はみんなのだって言ってたもん」
「あっ」
「あー」
「ケイ君のバカ!ケイ君のせいでお人形さんの頭取れちゃったじゃん」
「リョウ君のせいだもん」
「じゃ、もういいよ。お外で遊ぼ」
「僕も!」
 私は…
 私は…
 私は…ダイヤ…



  (その瞬間に胸に刻まれたのは線としての絶対語感と点としてのたとえ美だった。)
 パァン。突然だが目ン玉が爆ぜたかのように視界が乳白濁。あれあれ、おかしいや。確かソファでうつらうつらしていると昔の彼女から電話が掛かってきて、いやいやいや、それ以前に短めの創作に耐え切れずに不貞寝した僕の頭蓋内は詩的精彩を欠き、こびりついた言語悪でまっ黒々だ。さらに舌ベラはフーセンガム様に膨れて何も喋れず、耳は袋で怪談しか聞き取れない選択透過性。
 「障子越しにしゃりしゃりと何かを削る音がします」電話の彼女が言う。そして、それを『蛇だ!』とイメージ。「長く綴った文章から少しづつ文字を削らなくてはいけません」蛇は右足の親指の爪を割って、体内に侵入。脛骨を昇り、大腿骨を昇り、仙骨を通り、脊椎に取り憑く。「原石を削って宝石に仕立て上げる作業をカッティングと言います」蛇は33個もある脊椎を丁寧に丁寧に、こつこつと昇っていく。「歳経た物にはモノがついて付喪神となり意思とも自己愛ともいうべき」その歩みは、鈍く甘く、脳髄まで達するのを堪えて喜ぶ。「そして想います」ああ、言うな、こらこら、まだ、言うな。
「          



男が女に言った。
「君はまるでダイヤモンドのように輝いている。だから君にこのダイヤの指輪をあげよう。」
その時、ダイヤモンドの中の炭素原子は、口々にこう叫んでいた。



 放せ何する、ガラス玉はあいつの方だぞ、ルビィ裁判長、握手なんぞしやがって今夜のディナーか週末ゴルフの相談か、エメラルド弁護士、そうかわかったおまえもあいつもどいつもこいつも実のところ贋のガラス玉共なんだろう、サファイア判事、頭を貸せよ簡単なことなんだから、こすり合わせりゃ一目瞭然青天白日明々白々......なんだこんなところに閉じこめるのか、上等じゃないかこんな窓一枚、パテよろしく切り割って抜け出すなんざ朝飯前の御茶の子さいさい......痛い痛い、いったいどういうつもりだ、牢屋の窓にダイヤモンド板を嵌めるなんて法があるものか、話を聞かんかおかしいと思わんのか、私が幾らすると思っているんだ、おい!
「そこでちっと頭冷やしてな。」月明かりが言い捨てた。
「お前さんが誰でも関係ないね。」闇夜がうそぶいた。
「ここがどこでも生きていくまでさ。」便所コオロギがつぶやいた。



「黒鉛みたいに真っ黒。煤けたようなわたしの瞳。
 鏡に映るのはひとりぼっちのわたし。さみしい」
「石墨みたいに脆い。気弱な僕の孤独な心。  
 鼓動の音とともに崩れていくようだ。さみしい」

そして少年は少女に出会う。

「ああ、会いたかった。あなたね。あなただったのね」
「ああ、君だ。ただひとり君に会うために僕は今まで生きてきた」

恋心は瞬く間に摂氏2千度に燃え上がり、
ふたりはお互いを6万気圧で抱きしめた。

「わかるかい。君の瞳。虹色に煌めいているよ。
 ちらちら輝く炎のようだよ。君の瞳に僕がいるよ」
「ええ、わかるわ。あなたの心。透明な光でいっぱいね。
 白く燃えさかる星のよう。あなたの星を守ってあげる」

そしてふたりは永遠の愛を誓った。



私はダイヤモンド
それは血の色に染まった夕暮れ

私はダイヤモンド
それは枕元に忍び寄る若い憎悪

私はダイヤモンド
それは少女の痛みに払われた代償

私はダイヤモンド
それは呪われたライオンの群れ

私はダイヤモンド
それは諦め似た悪ふざけ

私はダイヤモンド
それはバスに捨てられた憂鬱

私はダイヤモンド
それは僕らのわずかな希望

私はダイヤモンド
私はダイヤモンド



「僕だけのダイヤモンドになってくれないか」
 あなたがくれた最高の一言。
 いつまでもあなたの心の中には私だけが輝いていて欲しいの。
 だから…
 あなたがほかの宝石に取られる前に。
 私はあなたのサファイアのような瞳を潰します。



 あらあら、おくちいっぱいに、あつあつおでんをほおばって、「股下、タイヤ問題」というなんて、いけないぼうやね。
 すぼめちゃうぞっ。



情熱的な君は、ルッルッ、ルッビー。
クールでホットな彼は、サーファイャー。
神秘的な彼女は、エッエッエーッ、メラルドー。
そして、そして、そして、ダイヤモンドは、ダイヤモンドは、オーレ。



ルービー、サファイア、エメラルド、真珠など、
宝石は一通り買いそろえた。
だが、一つだけ買ってはいない宝石がある。
そう、ダイヤモンド、これだけは買ってない。
宝石の中の王であるダイヤモンドをなぜ買わないか?
それは、"私がダイヤモンドだ。"、といいたいからだ。
君に毎日、私のダイヤモンドをプレゼントしよう。



 部屋に入ると、椅子に座った彼女が首だけで会釈をした。拍子に濡れそぼった髪から、水滴が二度三度滴り落ちる。
 電気もつけないで、と思っていると、彼女がおもむろに口を開いた。
「あなた、水アメ食べたことある?」
「あるよ? ……どうして?」
「昔、初めて瓶の中に割り箸を刺して、すぅっと引き上げた時ね、あんまりきらきら光るから『ああ宝石みたいだなあ』って思ったのよ」
 僕は君の方が宝石みたいだ、と思ったけど、口には出さなかった。
「そう思ったらとても心が躍ってね、『ああ、私って宝石、好きなんだな』そう思って、でも水アメは所詮食べ物だし、本物は高くて買えないでしょう? それを母に話したら、あの人は『貴方だって宝石みたいに綺麗よ』っていったの」
 また水滴が落ちた。蝋燭だけが光源の部屋の中、それも宝石のように輝く。
「それから、ずっとそうあろうとしてきたわ。出来るものだと思っていたし」
「知らなかったの。人は色褪せるものだって。宝石のようにそのままでいられないなんて」
 彼女がテーブルの上の蝋燭の手に取った。
 僕はのろのろと歩み寄る。それで彼女の纏った匂いがいつもの香水ではなく、灯油のそれであると気付く。
「知ってる? 宝石、ダイヤモンドも燃えるのよ?」
彼女はそう言って、胸元に寄せた蝋燭をゆっくりと離した。



「一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため。」
 せせらぎに混じって子供たちの歌声が聞こえる。どうやら賽の河原に来てしまったらしい。
 河原の石は、皆眩いばかりに光り輝いているのだが、彼らはまるで関心を示さない。
 近づいてよく見ると、盲目の子供ばかりである。

 鬼が現れて、積み上げた宝石の山を突き崩した。子供たちの目から、涙がこぼれる。それは、氷の結晶と成り、月明かりを反射しながら地面に舞い降りた。その時、囁きがきこえた。
「私が、ダイヤモンドだ!」



 店に入ったときにはもうあまり躊躇いはなかったのだが、女は迷っているふりをした。展示されている見本に触れてみたり。温もりというより、冷たい、という感触。抱きしめてみたり。温もりはなく、硬い、という感触。男から渡される品質保証の数字の羅列は、内容をもたず、けれども目には心地よいので、頷く。指先から? それとも髪から? 爪というのが一般的ですが、と男は促す。女は無意識に爪を噛む。温もり、という感触。
 夜ごと日ごと、女は夢をみるのだ。男が自分を仰ぎ見てひざまずく。女は服を脱ぐ。
 そのために自分は神聖であらねばならない、と思う。貴石化。
 女は爪を噛み、小切手を切る。それ自体にはあまり意味のない行為。けれども、その意味のなさこそが、女には大事なものであるように思える。
 帰り際、女はさも付け足しのように男に尋ねる。貴石化してからもセックスはできるの? 男もさも付け足しのようにこたえる。ご随意に。女は爪を噛む。マスターベーションは? とは女は聞かない。だから男もそれに対しては何も言わない。夢の言葉を口にすることができないまま、女は店をあとにする。



 私がダイヤモンドだ。
 しかも原石だ。
 数十万年もの間、地底深くで眠り続ける巨大な塊だ。
 誰かが掘り出し削り磨き上げてくれるのを待っている。
 とても美しく輝くはずなのに誰もその魅力に気付くことがない。
 もしも、生まれ変わることができるのならば。
 今度は地上で私の素晴らしさを存分に見せつけるのだけれど……。

 私は作家だ。
 しかし、まだアマチュアだ。
 十数年もの間、ネット上で燻り続けるちっぽけな存在だ。
 誰かが僕の作品の価値に気付いていろんな人に紹介してくれるのを待っている。
 とてもおもしろく人を感動させるはずなのに誰も僕の作品に目を止めようとしない。
 もしも、生まれ変わることができるのならば。
 今度はライバルもメジャーな作家もいない大昔の世界で、私と私の作品の素晴らしさを存分に知らしめるのだけれど……。

 ……私は、わたしは……。
 ここは、どこだ……?

 素晴らしい、だろう?



ええ、私は寺院に棲んでおりました。静かな穏やかな日々。それが突然見知らぬ男に拉致されようとは。恐怖と不安に気が狂いそうな船旅。ただひたすらにきっと必ず戻りますと仏様にお祈りしておりました。どんなことをしてもお側へ戻るのだと強く強く念じておりました。祈りが通じたのか。拉致した男は犬に喰われて死にました。私は奴隷のように人の手を渡り続けました。けれども私は誰のものにもなりたくありませんでした。ただ仏様の元へ戻りたい一心で祈り続けました。不思議なことに私が祈ると私のあるじは死にました。ある時は落馬し、ある時は病で。お美しい王妃さまも私が祈ったために首をちょんぎられてしまいました。あはは。私を手にいれられるほどの富と名声を得たならば後は堕ちるだけです。堕ちる堕ちるああ楽しい。王に狂気を。実業家に破滅を。ブロンド女優に謎の死を。あは。あはは。ひとたび私に出会ったならば誰もが死の誘惑から逃れられないのです。なんと幸運なことでしょう!ええ。私はもう戻りません。死こそが仏様のお慈悲と知りました。命の炎が私の輝きの源。狂気にゆらめく炎を吸って私はいっそう青く輝く。そう。私の名は希望。



「『私がダイヤモンドだ』、さあみなさんご一緒に」輪の中央の男が言った。教祖顔とでもいうのだろうか、ミイラみたく痩せっぽちなヒゲ面の年齢不詳。それに皆が唱和する。
「私が」「私が」「私がダイヤモンドだ」「…だ」「…だ」「だ」
 一拍遅れで俺は叫んだ。「ダたしがわイヤモンドだ!」
 まぶかしさをいぶした笑顔でコイラがミちらを向いた。タキをセち俺は向口に出かった。まイラがミてとよけんさうだがシ中で背カトしてカミナーセイ場を出る。すっ真ぐいけば吊り橋がはえる見ず。

 アク線上をハルく。コ曜夜のドク道を車がビュンビュンくばして飛る。ラールテンプがメンテツしシラククョンが鳴ワパパとプる。うとちるさいがなかたしい。いっきりはっていうでもどい。わあしせと夢をやタるカつら、カミナーセイ場の気ょうにみに障るヤゲハ郎どもと一緒にいるよりマっとずシ。わあしせ。わあしせ。馬鹿じゃねェの。意んぜんぜ味がわかんない。

 はワをカさんでマイ小のダチを背骨のようにケンレツしている大きなばりつし。そのアュウ央までチルき、柵を越りのえる。だこからこと正面にアイ都市のダカりが見える。夜ソみたいなク景。ならっぽにかりたかった。ほっ。つキをイいて跳レはオんだ。宇宙一のからっぽへ。



「貴方は、様々形に変幻自在でありながらその本質に如何なる変化も起さない金とその硬さゆえ同族にのみ影響を受け削られ磨かれ価値はあがるが先細るダイヤモンドと自分を例えるなら、どちらだと思いますか。」
「私はどちらでもありませんね。私は水ですね。山の清水は美しい、でも川を下り人手に触れると汚れもするし浄化もされる、でも最後は汚れ捨てられる いや捨てられるのは寂しいな お役目終えて海に戻るとしましょう そしてまた山に降る 人生は不変ではない わたしは金でもダイヤモンドでもなく 水でいいです 今の自分は溝の腐った水かもしれない 海に出たいな・・・」



4月生まれの彼女のうぬぼれを助長するための多面体カットの診察台。

「私の彼氏(当時は医局の助手だった…)は「だが私の法律は「私の瞳には「私の耳には
「私の脳は「私は出生時「私がダイヤモンドだ」と泣きわめいた」ということを記憶できる」
ことを知った医者の感嘆詞が残響している」ことに嫉妬した看護婦がいる」ことを許さず」
という私のすべてを受け容れてくれる」



 ガラスよ。意気地無しよ。脆弱さを売り物にする卑怯者、うそ泣きの売女よ。すり傷一つに金切り声を上げて崩れ落ちるがいい。不吉な廃虚と凋落のシンボルよ。私の前からすぐに立ち去れ。
 ルビーよ、サファイアよ。色つきの石ころよ。不純物の寄せ集め、甘ったるいゼリービーンズよ。豚の指を飾るお前たちの色は私には見えない。豚の糞がこびりついているから。私の前からすぐに立ち去れ。
 ジルコニアよ。品のないイミテーションよ。お前らの硬さがいかほどのものなのか。私にぶつかり、そして砕けよ。ニセモノ、まがい物、インチキ手品よ。白痴的な無神経、虚飾よ。私の前からすぐに立ち去れ。
 宝石箱を汚すすべての塵芥、ゴミ屑ども。すべての硬度ときらめきにおいて二流なるものどもよ。お前らと私とを箱に入れ、しかるべき回数揺すぶった後、微塵の中に輝く唯一の光を見るがよい。私を傷つけるもの、私に毛ほどでも恐怖心を抱かせるもの、私の孤独を打ち破るものはいないのか。誰か! 私を砕くもの、現れよ。



 私は欧州最大のカラット数を誇るダイヤ“極北の星”として世界中の羨望を一手に集めていた・・・昨日までは。
 昨夜の事件はまさに“悲劇”と後世に語り継がれるべき事だろう。

 真夜中に私の眠る倫敦(ロンドン)の博物館の特別展示室に忍び込んだ“賊”が、厳重な監視態勢に業を煮やし、あろう事か、館内に火を放って逃走したのだから。

 一夜明けた焼け跡には、かつて諸国において珠玉の逸品と讃えられた所蔵品の数々が、そして、一番奥まった位置にあった特別展示室の“残骸”には、堆(うずたか)く積み上がったひと塊りの炭の粉のみが残されたわけだ。

 今の私にはもはや何も語ることは出来ぬ。
 しかし、叶うことなら、蔑んだ視線で“今の私”を見下ろす人々に、声高に叫びたくなる衝動に駆られるのだ。

 『姿形は変わろうとも、私は私だ!  私がダイヤモンドだ!』と。


追記:本作では「ダイヤモンドの燃焼後の姿」を「炭」と表現しているが、どうやら
   正しくは「燃やすと全て二酸化炭素になる」というのが事実のようである。
   その辺り、事実にそぐわない記載をしているが、何卒ご了承頂きたい。