500文字の心臓

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短さは蝶だ。短さは未来だ。

 ハンギングチェア 作者:深夜真世

 ここに一基のタイムマシンがある。
 形状は半密閉式の卵型の形状で吊られていないハンギングチェアといった具合でありなぜそうしているかというと搭乗者の過去のわだかまりというか心のひっかかりをよりどころにして宙に浮き揺れることで催眠状態にするからであるつまりタイムマシンとは言葉の綾で実際は洗脳マシンだったわけで発明者及び開発者は詐欺だの開発費泥棒だの糾弾されいずれも不幸な末路をたどることになった。それでも歴史は常に未来により上塗りされる運命で重力を無視して浮遊する機能がエアカーに応用されることになり技術革新の礎となったが同時に運転免許取得には自損事故つまり浮遊状態からの制御不能落下を防ぐためより明確で強烈な心のひっかかりを持つ必要があることから初恋は一度限りの殺しのライセンスとして認められ一種の儀式となってしまう。
 つまり、浮かれた社会が多くの浮かばれない人により成り立っているのはいまも昔も変わらない。



 ツナ缶 作者:胡乱舍猫支店

ードアを閉めて溜息。
サバ缶が流行りだって。ふつーにスーパーとかで売ってるだけじゃ無くて高級食材店やデパートなんかでも色々凝ったヤツを売っているらしい(どう言うモノかはこれから検索)。そう言う事になっていると知ったのはついさっきだけど、そもそも何だって流行りなワケさ?何で缶詰なんて保存食(つか非常食…どうしても横でローソクが燈ってる状況しか思い浮かばない)をありがたがるのかさっぱりわからない。でもたとえそう思ったとしてもキミが欲しいと言ったら買わなきゃいけなくなるワケで。まあその辺はね…。

ードアの前で溜息。
流行りってことは売れるよね?そう売り切れなのよどこもかしこも。だからおんなじ魚の缶詰繋がりで許して。これだと4個パックで安売りしてたし…うーん困った、良い言い訳が思いつかない…うーん。
ードアを開ける。
キミが倒れてて床が…。
おわぁぁ…とっ…とりあえず買えなかった言い訳はしなくて良くな…いや、こ…困った。このまま見なかった…ってのはダメ…だよねぇ?
ああそれにゴメンね、つい思い出しちゃった。ほら、ミラノで一緒に食べたパスタ。トマトが良く合ってたねぇ、ツ…。